アレルギー・健康志向といった理由から、また、環境問題・動物愛護などの倫理的課題から、プラントベース食を生活に取り入れる人たちが、近年日本でも増えてきました。今回はそんなプラントベースついてお話しします。
プラントベースって何?
プラントベース(Plant Based)の食事とは、植物性食品を最大限に取り入れ、動物性食品の摂取を最小限にする食習慣のことを言います。
プラントベース食の種類
名称 | 肉 | 魚 | 卵 | 乳製品 | 蜂蜜 | |
セミ ベジタリアン | △ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | 基本的に穀菜食で動物性もたまに食べる。 |
ポウヨウベジタリアン | △ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | 基本的に穀菜食で動物性もたまに食べる。肉は鶏肉のみ食べることもある。 |
ぺスクタリアン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 基本的に穀菜食で肉は食べないが魚・卵・乳製品は食べるベジタリアン。 |
ラクト オボ ベジタリアン | × | × | ◯ | ◯ | ◯ | 基本的に穀菜食で卵と乳製品は食べるベジタリアン。 |
オボ ベジタリアン | × | × | ◯ | × | ◯ | 基本的に穀菜食で卵は食べるベジタリアン。 |
ラクト ベジタリアン | × | × | × | ◯ | ◯ | 基本的に穀菜食で乳製品は食べるベジタリアン。 |
ダイエタリーヴィーガン | × | × | × | × | × | 食べるものは植物性だが、衣類に動物性を含むこともある。 |
オリエンタルヴィーガン | × | × | × | × | × | 五葷を除く植物性食品を食べる。 |
ヴィーガン | × | × | × | × | × | 衣食住すべてにおいて動物性のものを除く |
ローフーディスト | × | × | × | × | ◯ | 48℃未満の酵素が豊富なものを食べる |
マクロビアン | △ | △ | △ | × | △ | 陰陽五行に基づくマクロビ食を食べる |
フルータリアン | × | × | × | × | × | フルーツやナッツ中心に食べる |
フレキシタリアン | △ | △ | △ | △ | △ | 基本的には動物性食品を避けるが、時には肉や魚も食べる柔軟なベジタリアン。 |
植物性の食品を選ぶメリットは?
病気の予防・ダイエットに
- がんのリスクを軽減する。
- 血中コレステロール値を低下させる。
- 血圧を低下させる。
- 健康体重を維持する。
- 免疫機能を向上させ、風邪や流行性感冒に罹りにくくする
- 喘息、アレルギー、ニキビ、胸焼け、そのほか広い範囲の体の不調を予防し、治すことができる。
- 加齢に逆らうことができる。
- 睡眠を向上させる
- ストレスを軽減する。 など (※1)
地球環境に優しい
プラントベースの食事法は、私たち人間の健康だけでなく、地球にもやさしい食事法です。
畜産ならば、動物を育てるのに、飼料や水・育てるエネルギーなど、植物に比べて環境負荷が高くなります。1人の人間が1年間に食べる肉や乳製品の元となる動物の餌を作るために使われている土地は、フットボール場の約2個分と言われています。
それに対し、プラントベースの食生活を取り入れた場合、同じフットボール場の約2個分の土地で、14人もの人が1年間に食べられる量の植物性食品を生産できると言われています。(※1)
毎日摂りたい基本のプラントベースフード
- 野菜(ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、キャベツ、ケール、山芋など)
- 果物(バナナ、アボカド、ドラゴンフルーツなど)
- 穀物(玄米、オートミール、オーツ麦、ハトムギ、アマランサス、キヌアなど)
- 豆類(大豆、小豆、ひよこ豆、レンズ豆、黒豆、豆腐、納豆など)
- スーパーフード(アーモンド、カシューナッツ、ヘンプシード、クルミ、チアシード、スピルリナなど)
プラントベース食を始めるためのコツ
いきなり動物性食品を完全に排除しない
プラントベース食は、植物由来のものを最大限に摂るという、柔軟性があり、かつポジティブな発想です。「絶対に肉は食べてはいけない」ではなく、「意識して食べるものを選択する」ということです。週1回、お肉を食べない日を作り、徐々に増やしていくという始め方でも良いかも知れませんね。
代替食品を使いこなす
【肉の代替品】大豆ミート
【乳製品の代替品】豆乳、アーモンドミルク
【ゼラチンの代用品】アガー・寒天
【ヨーグルトの代用品】豆乳で作られたヨーグルト
など
プラントベースと合わせて知っておきたい『ホールフード』
ホールフードとは、「丸ごとの食べ物」という意味で、食べられる前の加工や精製を行わないか、可能な限り抑えた植物性食品のことです。
植物性の食品を中心に、余すことなく丸ごと食べることで、ダイエットにも食品ロス防止にも繋がります。
いかがでしたか?この記事が、無理なく楽しみながら食を選び、あなたの健康的なライフスタイルの手助けになれば幸いです。
【参考文献】